研究課題/領域番号 |
20K23086
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
柿添 乃理子 九州大学, 歯学研究院, 特別研究員 (70876523)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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キーワード | 口腔扁平上皮癌(OSCC) / 腫瘍会合性マクロファージ(TAM) / CD206 / PAI-1 / IL-8 |
研究成果の概要 |
がん組織は単球を腫瘍随伴マクロファージ(TAM)へと分化・誘導することが報告されているが、 その詳細についてはいまだ不明であった。口腔扁平上皮癌(OSCC)におけるTAMサブセット(CD163+、CD204+、CD206+)の局在パターンはまったく異なり、CD14+ 細胞上のCD206の発現はOSCC 細胞株との共培養後に有意に増加した。OSCC 細胞株の培地においてPAI-1および IL-8が検出され、CD14+ 細胞刺激によりCD206を発現し、細胞数で正の相関を認めた。これらの結果は、OSCCによって産生されるPAI-1およびIL-8がCD206+ TAMへの分化に関わることを示唆した。
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自由記述の分野 |
口腔外科
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で着目している腫瘍会合性マクロファージ(TAM)はがんの発症や悪性化の促進に関与していることが報告されているが、いまだその詳細については不明である。われわれは口腔扁平上皮癌(OSCC) におけるTAMの役割を明らかにしている途中段階であり、最終的には特定のTAMを標的とした新たな治療法の開発を目的としている。臨床的にOSCC は手術が第一選択であるが、口腔内は呼吸、嚥下、発音などに関係しており、術後の合併症や後遺症が問題となる。さらに研究を進めTAM抗原を標的とした新規標的分子治療が確立されれば、外科治療との併用により、治療成績の向上や合併症・後遺症の軽減につながることが期待される。
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