これまで理想の吸入麻酔薬とされていたものの高価であることから臨床普及が進んでいなかったXeを吸入麻酔薬としてではなく、静脈麻酔薬として用いることでIVSへの応用の可能性を見い出すことである。これまでの研究により、溶媒として脂肪乳剤を用い、気体の溶解度を大きくするために加圧・冷却を行うことで、より高濃度のXe溶解液を作製し、実際にマウスへ静脈内投与することで麻酔鎮静効果が得られることを確認した。 Xe溶解液によるIVSが心機能および呼吸抑制が少なく、麻酔深度の調節性が優れていることが明らかになれば、Xeの画期的なIVSへの応用が可能となり、麻酔の概念を大転換させるパラダイムシフトが期待できる。
|