本研究では、過去に新生仔ラットで調べたdexmedetomidine(DEX)(α2-アドレナリン受容体/イミダゾリン1受容体作動薬)の呼吸循環効果を成熟ラットで検討した。その結果、DEX (50 μg/kg) 投与後、新生仔ラットと同様の換気量低下の他、動脈カテーテル測定でPaCO2と血圧の上昇が確認された。一方、新生仔ラットでみられたイミダゾリン1受容体を介する呼吸駆動力の刺激効果は得られなかった。以上より、DEXの呼吸循環効果は成熟過程で変化することが示唆され、加えて、成熟によりrespiratory sinus arrhythmiaは大きくなることが見出された。
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