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2023 年度 実績報告書

頭頸部軟組織再生へ向けたナノゲル集積材料の構築と機能評価

研究課題

研究課題/領域番号 20K23100
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

木下 直哉  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (80881086)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2024-03-31
キーワード筋組織再生 / ナノゲル / 生体材料
研究実績の概要

前年度までの研究成果を踏まえ、本年では生体内での移植操作性や筋組織再生を考慮したマテリアルの開発を目的として研究を行った。まず移植操作性のため光刺激に着目し、光照射により硬化する生体材料の設計を行なった。生分解性と強度を有するため、末端にアクリロイル基を持つ4本鎖PEG(PEG-S-TA)を合成した。以前より使用していた反応性ナノゲル(CHPA)と架橋開始剤(LAP)を混合し、UV照射を100秒間行うことでゲル化を確認した。作製したゲルの圧縮試験を行ったところ、PEG-S-TAゲルは8kPa程度であり生体筋組織と近い機械的特性を有することが明らかになった。緩衝溶液中での分解試験では約84日後に分解された。またインスリンを自発的に取り込み、外部とのタンパク質交換反応で内包するインスリンを徐放することが確認された。次にPEG-S-TAゲルの細胞毒性を評価するため脂肪幹細胞をゲル内に播種させゲルに対する細胞接着と細胞毒性を評価したところ良好な細胞接着性が確認され、明らかな細胞毒性も認めなかった。本年度の最後にはPEG-S-TAゲルをマウスの皮下に移植し、バイオイメージングシステムで生体内での分解挙動を観察した。その結果、28日後には移植時と比較し約70%程度のPEG-S-TAゲルが分解していることがわかった。
研究期間全体を通して頭頸部再生に応用可能な筋組織再生のためのナノゲル生体材料の開発と機能評価を行ってきた。特に以前はマイケル付加反応を利用した架橋機構を利用していたが、より移植時の操作性を向上や架橋時間の短縮を目的とした外部刺激による架橋構造制御を主軸に研究を遂行した。新型コロナウィルスの影響により生体内の実験にやや遅れが生じてしまったものの、最終年度では生体内移植を目指す上で重要である操作性の大幅な向上と生体筋組織と同様の力学的特性を有するゲルの開発に成功した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] A case of sclerosing odontogenic carcinoma of the mandible with a review of the literature2023

    • 著者名/発表者名
      Kinoshita Naoya、Tomioka Hirofumi、Oikawa Yu、Fukawa Yuki、Ikeda Tohru、Harada Hiroyuki
    • 雑誌名

      Journal of Oral Science

      巻: 65 ページ: 281~283

    • DOI

      10.2334/josnusd.23-0187

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 下顎骨に生じた硬化性歯原性癌の1例.2023

    • 著者名/発表者名
      木下 直哉, 富岡 寛文, 及川 悠, 布川 裕規, 池田 通, 原田 浩之
    • 学会等名
      第47回日本頭頸部癌学会
  • [学会発表] 口腔白板症の悪性転化に対する機械学習モデルの予測精度評価2023

    • 著者名/発表者名
      木下 直哉, 津島 文彦, 原田 浩之
    • 学会等名
      第68回日本口腔外科学会総会・学術大会
  • [学会発表] 舌扁平上皮癌DOI≦5mm症例における頸部リンパ節転移に関する臨床病理学的検討2023

    • 著者名/発表者名
      及川 悠, 木下 直哉, 清水 六花, 西井 直人, 釘本 琢磨, 黒嶋 雄志, 富岡 寛文, 道 泰之, 原田 浩之
    • 学会等名
      第61回日本癌治療学会学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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