今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としてはマウスのサンプル数を増やし,Cxcl12-GFPマウスの代替案として今後得られるサンプルにおいてCxcl12を用い蛍光免疫染色にてCxcl12陽性細胞の分布を調べる。またインプラント体及び実験デザインを変更する。(5週齢C57BL/6Jマウスの上顎第一臼歯を抜歯し,3週間の骨治癒後に実験用のチタン製擬似インプラントを埋入し,骨結合獲得(3週間)を待つ.骨結合確認の後,LPSを埋入組織周囲に注射することで骨吸収を誘導する.尚,注射しない群をネガティブコントロール群とし, PBSのみを注射した群をコントロールとし、PBSの影響により骨吸収が誘導されていないことを確認する.骨吸収誘導後7,13,20,27日経過時点で屠殺し,上顎骨を回収する.マイクロCTによる骨吸収量の測定および凍結切片を作製し,Cxcl12,PDGFrα.CD3陽性T細胞,B220陽性B細胞の分布を確認を蛍光免疫染色にて確認し,MSCsの分布との関連性を明らかにする.破骨細胞の分布は 脱灰後にパラフィン切片を作製し,TRAP染色により確認する.炎症を惹起しないコントロール群と経時的に比較する.またインプラント周囲炎モデルを,週齢の 異なる50週齢でも同様に作製し,歯槽骨破壊程度をマイクロCTによる骨形態計測で,MSCsの集積,炎症性細浸潤,破骨細胞形成程度を組織学的細胞数カウントに より比較する.若齢群と加齢群のインプラント周囲炎の肉芽組織をサンプリングし,Cxcl12陽性細胞であるMSCsをソーティングし回収する.まず,免疫調節 能に関係することが知られている遺伝子(TGF-b, IL-2, IL-10, MCP-1, FASL等)の発現レベルを比較する.次に,これらの遺伝子発現の差を網羅的に解析する ためにRNAseqで比較する.また,明確に差があった原因遺伝子を若齢マウスMSCsでsiRNA等によりノックダウンすることにより,50週齢MSCsの免疫調節機能の低下が誘導されることを確認し,免疫調節に関係する責任遺伝子を同定する.
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