本研究は大規模コホート研究のデータを用いて、口腔機能低下症とフレイル、サルコペニアおよび軽度認知障害との関係性を明らかにすることとした。統計学的検討の結果、口腔機能低下症はフレイル、サルコペニアおよび軽度認知障害に多く、これらの割合に有意差を認めた。また、フレイルのリスク因子は嚥下機能であり、軽度認知障害のリスク因子は咬合力と舌圧であった。 本研究の結果より、フレイルは嚥下機能が、軽度認知障害は咬合力と舌圧が独立したリスク因子として残ったことから、これらのリスク因子を改善することで、口腔機能の改善が、全身状態改善の一助となる可能性が示唆された。
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