農薬として使用されているネオニコチノイドは昆虫のニコチン性アセチルコリン受容体(nAchR)に選択的に作用するが、ヒトnAchRにも影響を及ぼす可能性が指摘されている。nAchRは神経分化に重要であり、ニコチンを用いた研究においても神経前駆細胞から神経系細胞に分化する際のnAchRを介する影響が報告されている。本研究ではヒト胎児脳由来神経前駆細胞株を用いた神経系分化に対するネオニコチノイドの曝露影響を検証した。その結果、分化開始から3日目の間に神経前駆細胞から神経系への分化にネオニコチノイドが影響を及ぼす可能性は低いことが示唆された。
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