本研究では、多施設横断の無記名自記式質問紙調査の結果に基づいて、介護に関わるステークホルダーである介護サービス利用者・家族介護者・介護職員、三者の生活の質(QOL)について、その相互の関係性と組織文化との関連について検討した。利用者と家族介護者、利用者と職員のQOL間に関連が認められた。また、家族介護者の介護負担感の軽減、QOLの維持・向上が、家族介護者自身の精神的健康状態に寄与しうる。介護の質担保に重要と考えられる、介護職員の職務満足度および精神的健康状態の向上には、組織文化のうち、研鑽の機会の確保や職員との事業所の将来像の共有がより重要であることが明らかになった。
|