研究課題/領域番号 |
20K23136
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研究機関 | 公立小松大学 |
研究代表者 |
片山 美穂 公立小松大学, 保健医療学部, 助教 (90880724)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | ボンディング障害 / 虐待的育児 / 育児行動 / 母親 / グラウンデット・セオリー・アプローチ |
研究実績の概要 |
【研究の目的】本研究は、ボンディング障害をもつ母親に直接面接し、育児中の思いとその後に続く育児行動を縦断的に分析することによって、ボンディング障害と虐待的育児の因果関係を解明することを目的としている。児童虐待防止は依然として重要な課題となっている。虐待的育児の要因は産後うつや育児不安であると考えられている。しかし、近年、ボンディング障害という新たな概念が注目され、虐待的育児に関連している可能性が報告され始めてきた。そこで、ボンディング障害と虐待的育児の関係を母親の体験から解明しようと考えた。 【研究実績の概要】文献レビューから、ボンディング障害に関する最新の知見を得、ボンディング障害のスクリーニング方法を選定した。公立小松大学の研究倫理審査の承認を得た後、研究協力機関に参加者の募集を依頼した。応募してきた研究参加者の面接調査については、COVID-19の感染症拡大の影響を受け、直接対面での面接調査を行えない状況を抱えてしまった。そのため、パソコンやスマートフォンを使用した遠隔での面接調査に切り替えて実施することとした。現在4名の参加者の面接が終了している。現在、得られたデータの分析を進めているがその過程で、ボンディング障害と抑うつ状態が密接に関連していることを発見している。そのため、抑うつ状態との関連も含めて分析していく予定である。今後はデータの理論的サンプリングを行い、追加の面接調査を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の感染症拡大の影響を受け、参加者募集や面接調査の方法を直接対面から遠隔へと切り替えたため調査までに時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
データの分析を進めると共に理論的サンプリングを行い、追加の面接調査を行っていく。分析では、抑うつ状態との関連も含めて分析していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
おおむね予定通り執行した。面接調査の環境整備のため、当初の予定以上に物品費を要した。しかし、学会での発表は遠隔開催となったため旅費が未使用となり、また、データ入力の外部発注を自身で行ったため人件費が未使用となった。そのためそれらを物品費の不足分に割り当てることができた。
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