中山間地域の独居高齢者の食環境アクセシビリティの特徴を抽出し、スクリーニングシートを作成した。まず、食環境アクセシビリティの特徴を抽出するために、インタビュー調査を行った。さらに、無記名の自記式質問紙調査を実施した。質問紙調査項目は、属性、簡易栄養状態評価、手段的日常生活動作、地域社会活動、環境的状況等であった。その結果、中山間地域の独居高齢者の食環境アクセシビリティの特徴として、身体活動、摂食、地域活動等に関する個人的要因、地理的特性をふまえた生活環境、社会資源の有効活用などの環境的要因が挙げられた。次に、この結果を踏まえて、個人的および環境的要因の項目で構成されるスクリーニングシート案を作成した。これを地域の専門職および独居高齢者に提示し、ヒアリングから得られた各々の意見を踏まえて洗練化を重ね、最終的に30項目からなるスクリーニングシートを開発させた。今後は、本研究で作成した食環境アクセシビリティのスクリーニングシートを実用する際の手法の確立と、さらに実用した地域における独居高齢者の食生活支援に向けた実証を予定している。
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