研究課題/領域番号 |
20K23158
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
影山 淳 浜松医科大学, 医学部, 助教 (50884483)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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キーワード | 生体時計 / クロノタイプ / 在宅ワーク / テレワーク / 睡眠 / 疲労 / メンタルヘルス / 労働者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的はCOVID-19の感染拡大に伴い在宅ワークを導入した労働者における、生体時計特性(クロノタイプ)による在宅ワークの健康影響(睡眠の質・疲労回復・精神不安)を明らかにすることである。クロノタイプ、通常出勤時と在宅ワーク導入時それぞれの主観的な睡眠の質、精神不安、疲労回復不全に関する項目の他、睡眠時間や時間外労働時間等のデータを収集し、統計的に検証して生体時計特性による在宅ワークというワークスタイルの健康影響と在宅ワークの適性について検討する。 初年度はアンケート作成のために在宅ワークの健康影響に関する文献から情報収集を行い、研究計画について倫理審査の承認を得た。また緊急事態宣言発出を機に急遽在宅ワークの導入に踏み切った一社に研究協力の了承を得た。2年目はアンケート調査の実施とデータ解析・論文執筆を予定したが、コロナワクチンの職域接種開始の影響により協力先での調査体制を整えることが困難になったため調査時期を延期した。調査ができない期間は産業ストレス、睡眠、公衆衛生に関する学会に参加し、情報収集を継続した。 R4年3~4月にWEBアンケートを実施した。協力会社では令和2年2月のCOVID-19感染拡大以降、約2,000名が在宅ワークを導入した。今回の調査には1,262名がサイトにアクセスし、1,114名より回答を得た。COVID-19の流行前から在宅ワークを行っていた者、睡眠障害・精神疾患治療中の者等、除外基準該当者を除き、解析対象は717名になる見込みである。今後データの解析に着手する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
調査協力先は確保できていたが、令和3年6月よりコロナワクチンの職域接種の実施が決定し、相談先部署が職域接種に従事することになった。そのため、研究に関する調整や準備を進めることが不可能な期間が発生した。2回目の職域接種が落ち着いた令和3年12月よりアンケート調査の調整を再開した。調整再開後、WEBアンケートサイトの作成、動作確認を行い、委託先調査会社での情報管理は調査協力企業の情報セキュリティ部門の審査を経て調査体制を整えた。WEBアンケート開始後、予定していた回収期間では解析に必要な目標回収数に達しなかったため、回収期間を予定よりも延長した。これらの理由により研究の進捗は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年4月にアンケートの回収は終了しており、データを受領次第、統計解析に着手する。5月下旬には所属学会の産業疲労に関する研究会に参加し、在宅ワークを含む働き方と疲労回復について情報収集と意見交換を行う。解析結果の解釈と考察に収集した最新の知見を活用する予定である。研究の進捗は当初の計画より遅れているが、研究期間を延長し、データの回収を完了した。解析や論文執筆に必要な環境や体制は整っているため、今後の研究遂行上の問題はないといえる。
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次年度使用額が生じた理由 |
WEBアンケートの実施時期を当該年度末まで延期したため、WEBアンケートサイトの開発・アンケート回収に係る費用について年度内の使用がなかった。アンケートは令和4年3~4月に実施・終了しており、次年度に費用を支払うことになっている。その他、次年度は研究成果の学会発表と論文投稿のために使用を計画している。
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