研究課題/領域番号 |
20K23158
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
影山 淳 浜松医科大学, 医学部, 助教 (50884483)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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キーワード | 生体時計 / クロノタイプ / 在宅ワーク / テレワーク / 睡眠 / 疲労 / メンタルヘルス / 労働者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的はCOVID-19の感染拡大に伴い在宅ワークを導入した労働者における、生体時計特性(クロノタイプ)による在宅ワークの健康影響(睡眠の質・疲労回復・精神不安)を明らかにすることである。クロノタイプ、通常出勤時と在宅ワーク導入時それぞれの主観的な睡眠の質、精神不安、疲労回復不全に関する項目の他、睡眠時間や時間外労働時間等のデータを収集し、統計的に検証して生体時計特性による在宅ワークというワークスタイルの健康影響と在宅ワークの適性について検討した。 昨年度から今年度4月にかけて回収したWEBアンケートの回答を解析した。研究協力への同意が得られた1,114名から除外基準に該当する者を除き587名を最終の解析対象とした(男性75.0%、平均年齢44.9±11.5歳)。対象集団におけるクロノタイプの分布は夜型が日本人データより少なく10%に満たなかった。在宅ワーク時に睡眠時間は平均17分の延長が確認され、世界40か国を対象とした調査と同程度であった。主観的不眠、疲労回復および精神不安の程度は職場出勤時と比較し在宅ワーク実施時はクロノタイプに関わらず有意に良好であった。睡眠時間と疲労回復はクロノタイプと働き方(出勤時・在宅ワーク時)に交互作用を認めた。在宅ワークは生体時計特性に関わらず労働者の睡眠や精神健康度に好影響をもたらす可能性があり、特に夜型クロノタイプの者にメリットが大きい働き方である可能性が示唆された。 研究成果の発信として学術集会(R4年12月)で成果を報告した。本結果に基づき論文作成を行い、投稿準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アンケートの回収率を上げるために期間の延長をしたことで解析と学会発表、論文執筆が当初の予定より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画より遅れているものの、解析や学会での成果報告は終了している。論文執筆に必要な環境は整っているため今後の研究遂行に問題はない。
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次年度使用額が生じた理由 |
解析後、論文の投稿準備に時間を要したため。英文校正と投稿に使用する。
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