研究参加者は7名であり、1カ月間の主観的データおよび客観的データを収集し、分析を行った。客観的データの分析は分析システムの構築が難航しているため、報告では主観的データに基づいて報告する。 参加者のうちアプリの操作が困難であり測定ができなかった2名を除外し、最終分析には5名分のデータを含めた。ストレスを測定するデータの性質上、動作前後での測定を必須としておらず、全データのうち動作前後で対になっているデータを日常生活動作ごとに分析した。 対象者は71.8±4.66歳であり、全員男性であった。Gold分類ではⅠ期2名Ⅱ期3名と比較的軽症なCOPD患者であった。動作前後で対応する息苦しさ、ストレス、陽の情動に関して、Shapiro-wilk検定にて正規性を確認したのち、Wilcoxon符号順位検定を行った。 排泄動作前後における息苦しさの値、入浴動作前後におけるストレス値、室内移動および睡眠前後の息苦しさとストレス値を除き、日常生活動作前後での息苦しさやストレス値、陽の情動は有意に上昇していた。 本研究では、対象者が比較的軽症であったことから、排泄や室内移動での息苦しさを感じることが少なく、それゆえストレスを感じなかった可能性がある。一方で、入浴動作前後での息苦しさを感じているにもかかわらず、それをストレスとまで感じていないことが分かった。今後、客観的データの解析を含め、主観的・客観的データを統合したストレスの評価を行いたい。
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