研究課題/領域番号 |
20K23168
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
猪俣 明恵 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (70876680)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | ドライアイ / モバイルヘルス / 個別化医療 / 予防医療 / 予測医療 / 参加型医療 / 層別化 |
研究実績の概要 |
ドライアイは本邦で2,000万人以上が罹患する最も多い眼疾患で、超高齢社会、デジタル作業増加等により今後も増加が予想される。ドライアイの問題は、眼不快感、眼乾燥感などの多様な症状による視覚の質低下や、作業効率の低下による経済損失である。ドライアイの発症や重症化を未然に防ぐ予防医療や個別化医療が重要であるが、ドライアイの自覚症状は、乾燥感のみならず、羞明、眼精疲労、視力の低下など多岐にわたり、不定愁訴とされ治療が行われないまま見逃される場合もあった。 そこで本研究は、ドライアイの自覚症状の多様性にともなう見逃しを克服すべく、独自に開発したスマートフォンアプリケーションを活用し、個々人のドライアイの自覚症状と関連する環境因子、生活習慣、宿主因子などのビッグデータを収集。そして、多様な自覚症状の見える化と層別化を実現し、ドライアイ診療の向上と個別化医療への基盤を構築する。 当該年度は、Android版ドライアイ研究用スマホアプリを開発した。その後、ドライアイ研究用スマホアプリを用いたクラウド型大規模臨床研究を実施し、ドライアイに関する個別医療ビッグデータを収集している。収集データは、研究参加者基本情報、地図情報、病歴、生活習慣に関する質問、ドライアイ疾患特異的質問紙票(Ocular Surface Disease Index)等を収集している。これにより、個々人の日常生活圏と密接に関連したドライアイに関する医療ビッグデータの継続収集が可能である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
該当年度は、Android版のドライアイ研究用スマホアプリを開発し、リリースした。これにより、本邦スマホユーザーの99.7%をカバーするとともに、広く世界中のユーザーを獲得、自覚症状や生活習慣等の情報の継続的な収集が可能である。ドライアイ研究用スマホアプリを用いたクラウド型大規模研究は既に開始され、ドライアイに関連する包括的な情報の収集を開始している。
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今後の研究の推進方策 |
スマホアプリを用いた研究は、無制限の参加者の募集、参加者の研究へのアクセス・コミニュケーションの簡素化、リアルタイムデータの取得、コストの効率化、若年層や未病者へのアプローチ、リアルワールドデータの取得等により様々な面で優位性をもつ。今後もこれらの優位点を用いながら研究参加者募集を推進していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19による開発の遅延が生じた。次年度使用額は、スマホアプリのアップデートならびに解析費用に充当する予定である。
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