本研究では術直後から離床までの期間に取り組める合併症予防という視点に立ち、術直後から安静臥床の状況下でも開始できる運動プログラムの開発・検討をした。文献検討と専門家へのコンサルテーションにより作成した運動プログラムは、手指の掌握運動、足関節の足背・屈曲、下肢体幹運動より構成され、それぞれについて、上肢・下肢の末梢循環の改善や消化管運動の促進などの効果を期待する。健常高齢者を対象とした検証において、末梢灌流の改善が期待でき、被験者への呼吸・循環の負荷が少ないことが確認された。この検証は貴重なデータを提供し、運動負荷を再検討した上で外科患者を対象とした臨床研究へ発展可能であることを示した。
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