アクロレインは脳梗塞時に生成され、臨床で脳梗塞リスク評価に用いられている。しかし、死後検体においてアクロレイン測定の有用性を検討した報告はごく少ない。本研究では、死後検体におけるアクロレイン濃度を測定し、脳卒中診断に有用であるかを検討した。 脳梗塞、クモ膜下出血、 脳出血と対照例の血清と尿中のアクロレイン濃度をELISAにて測定した。血清中アクロレインは脳梗塞、クモ膜下出血、脳出血例で有意に高値であった。尿中アクロレインはクモ膜下出血と脳出血例で低値であり、尿量増加による濃度希釈の影響と考えた。本研究により死後検体においても血清アクロレイン濃度の測定は脳卒中診断に対し有効であることが示された。
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