研究課題/領域番号 |
20K23171
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
原田 有理子 東京女子医科大学, 医学部, 非常勤講師 (60878263)
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研究期間 (年度) |
2022-03-01 – 2025-03-31
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キーワード | 口腔保健 / 糖尿病 / ネパール / フィールド研究 / コミュニティーヘルスワーカー |
研究実績の概要 |
この研究の主な目的は、ネパールにおけるⅡ型糖尿病患者に対する口腔保健推進プログラムの実施とその効果の検証です。コミュニティーヘルスワーカー(CHW)が中心となってこのプログラムを実施し、その結果を評価することで、口腔保健状況の改善に向けた施策の有効性を明らかにすることを目指しています。この研究はフィールド調査で行われ、COVID-19の影響を受けましたが、2023年には介入とデータ収集が完了し、現在はデータの解析と結果のまとめ作業に取り組んでいます。 2023年には、主に2つの論文執筆に筆頭著者として取り組みました。最初の論文では、CHWによる口腔保健推進活動の実施可能性に焦点を当て、質的調査が行われました。この調査では、現地の保健省の歯科担当官や糖尿病担当官など、関係者へのキーインフォーマントインタビューや、CHWへのインタビューが実施され、その結果が分析されました。この論文は既にまとめられ、投稿が完了し、現在は査読結果の待ちです。2つ目の論文では、量的調査に基づいて、CHWが実施した口腔保健推進活動が口腔保健状況の改善にどのように貢献したかが分析されます。データのクリーニングには多くの時間が費やされましたが、現在は解析作業が進行中であり、今年中に投稿される予定です。
さらに、この研究はネパールの研究者の能力向上も目指しており、彼らに対して解析や論文執筆の指導も行いました。私と同様にネパールの共同研究者もそれぞれが筆頭著者として論文を執筆している段階です。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究はCOVID-19の影響を多く受けたがCOVID-19の感染拡大も収束したことから研究を順調に推進することが可能であった。
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今後の研究の推進方策 |
介入活動によって得られたデータを分析し、国際誌への投稿を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
`COVID-19により、研究代表者のネパールへの渡航が不可能になったこと、およびネパール政府の指針により共同研究者がフィールドを訪問し研究対象者である村民の口腔診査や教育活動が不可能になったことにより、使用額に差が生じた。次年度は研究成果の報告に向けてデータの分析に努める。
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