研究課題/領域番号 |
20K23175
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研究機関 | 名古屋女子大学 |
研究代表者 |
宮野 幸子 名古屋女子大学, 健康科学部, 助教 (70881712)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | 母親の内的作業モデル / 児童虐待 / 母親の孤独感 / 子育て支援サービス / 育児感情 |
研究実績の概要 |
母親の養育態度に影響を及ぼすといわれる母親の内的作業モデルと、母親の孤独感、育児感情(育児の負担感・不安感・肯定感)、育児に関するソーシャルサポートの状況、および母親が期待する子育て支援サービスとの関連を明らかにするために、乳幼児健康診査を受診する母親にアンケート調査を実施した。乳幼児健康診査えお受診した母親に、研究目的・方法・匿名性について説明し、研究協力の同意が得られた母親(2375人)へ質問紙を配布し、郵送による回答を依頼した。調査期間は2020年8月~11月であり、回数数は790人であった(回収率33.26%)であった。アンケート結果を統計学的に分析し、母親の内的作業モデル(安定型・アンビバレント型・回避型)と孤独感、育児感情(育児の負担感・不安感・肯定感)と育児に関するサポート状況、母親が期待する子育て支援サービスとの関連を検討した。結果、母親の内的作業モデルの特徴と孤独感、育児感情(育児の負担感・不安感・肯定感)と育児に関するサポート状況、母親が期待する子育て支援サービスには、いずれも有意差があった。しかし、内的作業モデル(安定型・アンビバレント型・回避型))のいずれの型にも該当しない母親が59人存在したため、再度、内的作業モデル(安定型・アンビバレント型・回避型)の分類方法について、先行研究における分類・分析方法を参考にし、新たにデータ分析を試みた。内的作業モデル(安定型・アンビバレント型・回避型)の分類方法によって、結果に差がみられたことから、対象者をどのように分類するかを検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和2年5月に、愛知県新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言発令のため、保健センターにおける乳幼児健康診査が中止となり調査を開始することができなかったため調査を開始することが出来なかったが、同年7月より愛知県内の保健所・保健センターにおける乳幼児健康診査が再開されたため、県内の複数の自治体へ研究協力の依頼を行った結果、7市町村から調査協力の承諾を得ることが出来た。令和2年8月~11月の4か月間に調査を実施し、対象者2375人に調査票を配布し789人より回答を得た(回収率は33,2%)。データの入力と分析を行い、基本統計量の分析を行った。研究目的である、対象者を内的作業モデル(安定型・アンビバレント型・回避型)に分類してみた所、いずれの内的作業モデルにも該当しない対象者が20人発生した。そこで、それらについても欠損値として取り扱うことなくデータ化するために、先行研究を参考に内的作業モデルの分類について検討している。
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今後の研究の推進方策 |
母親の内的作業モデル(安定型・アンビバレント型・回避型)の分類方法を検討し、それを目的変数とし、基本属性、育児に関するソーシャルサポートの状況、育児に関する感情(育児の負担感・不安感・肯定感)、孤独感、期待する子育て支援サービス等を説明変数として、関連の有無を多重比較する。その結果から、母親の内的作業モデルと期待する子育て支援サービスとの関連の有無を分析する。 研究目的、方法、分析・結果、考察を、令和3年8月までに論文作成(英文)し、BMC Women’sHealth(イギリス)への論文投稿を予定している。また、第81回日本公衆衛生学会(2022年)に発表を予定している。それと同時に、調査協力機関への調査報告書を作成し2021年度末までに報告会を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文を投稿するための費用等に充てるため
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