研究課題/領域番号 |
20K23175
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研究機関 | 名古屋女子大学 |
研究代表者 |
宮野 幸子 名古屋女子大学, 健康科学部, 助教 (70881712)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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キーワード | 母親の内的作業モデル / 児童虐待 / 母親の孤独感 / 子育て支援サービス / 育児感情 |
研究実績の概要 |
母親の内的作業モデルと児童虐待の要因とされる母親の孤独感、育児負担感・不安感、ソーシャルサポートと、母親の子育て支援サービスの認識、子育て支援サービスへの要望との関連を明らかにし、孤独感、育児負担感・不安感が高い母親への子育て支援サービスへの示唆を得ることも目的に、1歳6か月健康診査を受診した母親歳6か月児健康診査を受診した母親2に無記名自記式質問紙調査を行った。対象者2,375人中,790人(回収率33.26% )から回答を得,719人(有効回答率 91.9% )を分析対象とした。対象者の平均年齢は33.8±SD4.5歳であった。就労していない者は43.4%であった。就労している者のうち育児休業を取得している者は36.6%であった。子どもが第1子の者は45.1%であり,子どもを保育所または認定こども園等に預けていない者は67.7%であった。核家族は88.9%であり,現在の地域での居住期間が1年以上の者が90.3%であった。家計の状況に余裕がない・ほとんど余裕がない者は38.2%であった。 母親の内的作業モデルの型は,安定型387人(49.7%),アンビバレント型238人(30.5%),回避型94人(12.1%)であった。内的作業モデルの得点が最も高い型が,安定型・アンビバレント型・回避型のうち2つの型,または3つの型が同得点となり ,詫摩らの内的作業モデルの型に該当しない者は60人(7.7%)であった。 母親の内的作業モデルの型と相関がみられたのは、孤独感、育児感情(負担感・不安感・肯定感)、居住期間、家計の状況、ソーシャルサポート、子育て支援サービスの認識、子育て支援サービスへの要望であった。分析結果をもとに、2021年10月の第80回日本公衆衛生学会総会に発表し、現在論文作成を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和2年5月、愛知県新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言発令のため、保健センターにおける乳幼児健康診査が中止となり調査開始時期が遅くなったことに加え、調査を実施し、データ収集と解析を行った結果、本研究の目的である、母親の内的作業モデルが安定型・アンビバレント型・回避型のいずれにも該当しない者が90人発生した。そのため、先行研究等を参考にしながら、内的作業モデルが該当しなかった者の分析方法を検討した。
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今後の研究の推進方策 |
研究結果をもとに国内外の先行研究を参考にし、本研究の新規性・有用性を明らかにする。令和4年8月を目途に論文作成(英文)し、BMC Women’sHealth(イギリス)へ投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定通りに研究が進まなかったため、次年度に論文投稿費用として使用を計画している。
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