研究課題/領域番号 |
20K23176
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
若山 怜 愛知医科大学, 医学部, 助教 (10878341)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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キーワード | 行動変容ステージ / Transtheoretical Model / 特定健康診査 / 生活習慣病 |
研究実績の概要 |
本研究は、特定健康診査や特定保健指導における生活習慣病予防を目的としたTranstheoretical Modelに基づく行動変容ステージと、健診結果や生活習慣との関連を検討し、それらの改善を効率的に進める方法を明らかにすることを目的としている。 令和2年度では、愛知医科大学医学部衛生学講座と共同研究を実施している愛知健康増進財団における特定健康診査のデータを用いて、特定保健指導対象者だけでなく、特定健診対象者全体におけるモチベーションが改善しない人々の特性について検討したが、令和3年度は、前年度と同様のデータを用いて、特に特定保健指導対象者における個人のモチベーションに関わる要因について検討した。ベースラインで無関心期と関連していたのは男性、高齢者、肥満ではないこと、喫煙者が有意に関連していた。また、無関心期が5年間継続しなかった要因としては、運動習慣あり、保健指導の希望ありが有意に関連していた。これらの結果については日本公衆衛生学会総会において発表した。 このことから結果行動変容ステージの違いによって、保健指導における対象者へのアプローチ方法を検討する必要性があり、特に2018年に報告された健康日本21(第二次)では、これまでの施策で行動変容が起きていないと思われる無関心層へのアプローチが課題として挙げられていることからも重要なテーマであり、今後はベースライン時に無関心期かどうかでその後の特定健診の結果にどのような影響があるのかを検討していく必要性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
年度初めに産後休業を取得し、8週間の産後休業を終えてすぐに復帰したものの、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う子どもの登園自粛の必要性が生じるなど、研究時間を予定よりも確保するのが困難だったため。
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今後の研究の推進方策 |
特定健診対象者において、行動変容ステージが無関心期の群とそれ以上である群とで、ベースライン時の既往歴や健診結果、また特定健診の問診項目にある生活習慣などを調整し、モチベーションの違いが5年後の体形や喫煙率、また健診結果にどのような影響があるのかを明らかにし、これらの研究成果を関連する学会誌に英文で投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症流行の影響で、学術集会がハイブリットまたはオンライン開催となり、現地までの旅費等が不要となった。また、昨年度末に出産をし、産後休業明けにすぐ復帰したものの、こちらも新型コロナウイルス感染症の流行に伴う子どもの登園自粛などもあり、論文執筆・投稿に遅れが生じたため、それに関する経費を使用することができなかった。これについては、次年度に論文執筆・投稿を行う予定である。
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