第一研究である、小児看護専門看護師が実施している意思決定支援について日本小児看護学会第32回学術集会にて成果発表を行った。その後第二研究とし、全国の小児が入院する病院の看護師を対象に、第一研究で得られた50の意思決定支援において、「日々の看護の中での実践の程度(以下、実践の程度)」と「意思決定支援として認識している意義の程度(以下、意義の程度)」について4段階のリッカート調査(1=全くそう思わない、2=あまりそう思わない=、3=ややそう思う、4=非常にそう思う)を行った。合計704名の回答が得られた。「実践の程度」と「意義の程度」の得点についてMann-WhitneyのU検定によって分析を行った。50項目中、47項目で「意義の程度」が「実施の程度」より有意に高得点であった。このことより、看護師は意思決定支援に対する意義を感じているのに対して、日々の実践度が少ないと考えられた。看護師の高い意識を日々の実践に反映させるために、第一研究で得られた意思決定支援の具体的な実践方法を看護師に広める必要があるだろう。この結果は、26th East Asian Forum of Nursing Scholarsにて発表を行った。また、回答者の中から小児が入院する病棟の看護師530名を外来経験の有無で2群に分類し、「実践の程度」についてMann-WhitneyのU検定にて分析を行った。小児が入院する病棟の看護師では、外来経験無し群よりも有り群の方が39項目において有意に高得点であった。小児が入院する病棟の看護師では、外来経験の有る看護師は意思決定支援をより実践していることが分かった。この結果については、日本小児看護学会第33回学術集会にて発表予定である。
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