研究課題/領域番号 |
20K23186
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
佐野 元洋 千葉大学, 大学院看護学研究科, 助教 (70877000)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | 心不全 / セルフマネジメント / 遠隔モニタリング / ICTツール / 在宅支援 / セルフケア |
研究実績の概要 |
1年目である令和2年度は心不全セルフケア支援ツールを使用する心不全患者への半構造化インタビューおよび質的分析を通したシステム改修を実施した。その後、前後比較試験のための対象募集、ベースラインの情報収集および各種アウトカム測定を実施した。 1)6名の心不全患者が心不全セルフケア支援ツールを短期間(1ヵ月程度)試験運用した。試験運用の後、本ツールの利用可能性に関する半構造化面接を実施し、本ツール改修に向けた意見の抽出を行った。本ツールは、タブレットやパソコン、スマートフォン等を使用して、インターネット上で体重、血圧、脈拍、自覚症状(息切れ、睡眠状況、浮腫、尿量の増減など)を入力するものであるが、各患者の状態によっては該当しない項目がある場合などは入力の判断に困る、入力忘れがあった場合や旅行などで数日の間ツールを入力できなかった場合に操作できなくて困る等のニーズや困難が質的分析の結果明らかになった。それらの結果を踏まえ、全項目必須入力の制限解除を行った。また入力忘れに対応するため、データ入力日の制限解除の改修を行った。 2)県内の大学病院に通院中または連携関係にある訪問看護ステーションによる訪問看護や在宅医による訪問診療を導入している9名の心不全患者が研究参加に同意し、対象特性の情報収集とベースラインのQOL(SF-12、MacNew Health-related quality of life instrument)、HADSの測定を完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症による様々な影響下、慢性心不全看護認定看護師が所属する機関の協力が得にくい状況のため、他施設での対象リクルートをほぼ行うことができなかった。 附属大学病院の循環器内科に通院中の心不全患者、連携関係にある訪問看護ステーションや在宅医を中心に対象者募集を行った。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は、対象募集を継続しながら縦断的なQOLや不安抑うつの測定を行い、Webベースの心不全セルフケア支援ツール使用による縦断的な変化を測定する。 当初の予定とは異なる場での研究実施を含んでいるため、外来以外での本ツールの適用可能性や実施可能性についても検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス(COVID-19)の影響にて学術集会へWeb上で参加したこから旅費が発生しなかったこと、研究対象者への謝礼を現金でなく商品券で代替したため物品費といて計上したため。 計画通りに対象者募集が行えず、分析に使用するソフトウェアやデータ整理の人件費がかからなかったこともある。 令和3年度は、データ分析を実施するため、必要な物品や人件費として使用する。
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