研究課題/領域番号 |
20K23188
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
角川 由香 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (70884550)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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キーワード | 移行期ケア / 退院支援 / 地域連携 / 地域包括ケアシステム / 在宅療養移行 |
研究実績の概要 |
研究2年目である2021(令和3)年度は、初年度に引き続き①移行期ケアの実施および効果検証に関する国内外の取組みについて情報収集を行い、退院直後の再入院予防を目標とする地域・病院協働型移行期ケアモデル(PHR-TCモデル)を検討するための、基礎資料作成に取り組んだ。一方、引き続き蔓延している新型コロナウィルス感染症渦において、急性期病院の地域連携・移行期支援部署は患者・家族の面会制限ならびに地域多職種の病院出入り制限等の影響をうけ、以前まで構築してきた地域連携・移行期ケアシステムが十分に機能しづらくなり、業務は繁忙を極めていた。そのため、予定していた全国調査の実施を延期せざるを得なかった。代替として、新型コロナウィルス感染症蔓延渦における、地域連携・移行期支援部署の課題や新たな取り組みについて、全国の急性期病院の看護職にインタビュー調査を行った。現在、結果をとりまとめ中である。 以下に詳細を記す。 ①移行期ケアの実施および効果検証に関する国内外の取組みに関する情報収集および退院直後の再入院予防を目標とする地域・病院協働型移行期ケアモデル(PHR-TCモデル)を検討するための基礎資料作成:先行研究のレビューを主軸に、国内外で行われている移行期ケアの実態把握を行っている。結果は、現在、取りまとめ中である。 ②新型コロナウィルス感染症蔓延渦における、地域連携・移行期支援部署の課題や新たな取り組みについて半構造的面接法を用いて調査を行っている。現在も調査継続中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度に引き続き、新型コロナウィルス感染症拡大の影響を大きく受けている。主なフィールドとして考えていた急性期病院は感染症対応のため繁忙を極めており、全国調査等は延期せざるを得なかった。来年度は状況をみながら、調査を再開していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
研究A:移行期ケアの実態把握については、文献レビューの結果および疫学調査の結果をとりまとめ成果を公表していくとともに、再入院を予防する移行期ケアモデル(案)にそれらの結果を反映し、精錬させていく。 研究B:研究Aで精錬させた再入院を予防する移行期ケアモデル(案)について、モデルのコンテンツとなっている移行期ケア内容の実施状況等を問う全国調査を行う予定である。 また、今年度、研究Bの実施が困難であったため新型コロナウィルス感染症蔓延渦での移行期支援に関する課題等をとりまとめる目的でインタビュー調査を行ったため、とりまとめて発表していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
【次年度使用額が生じた理由】新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、国内外の学会が中止・延期、あるいは開催方法変更となり、交通費・旅費等の支出がほとんどなかったため。また、データ整理補助者として人件費を計上していたが、こちらについても全国調査の延期により、支出がなかったため。 【使用計画】 学会については開催状況を注視しながら、研究成果発表の場を積極的に設けていく。ただし、次年度もオンライン開催が多くなると予測されることから、当初予定していた旅費については使用額に変更が生じる可能性が高い。そのため、学会発表だけでなく雑誌への投稿を積極的に検討していく。
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