本研究は、クリティカルケア領域で臨床実践している専門看護師および認定看護師を対象に緩和ケアの現状に関する質問紙調査を行った横断研究である。740名の無作為抽出された看護師に質問紙を郵送し、384部(52%)を有効回答として分析した。クリティカルケア領域の看護師は、身体的・心理的・社会的・スピリチュアルな苦痛に対するケアが十分でなく、緩和ケアに関する知識・技術不足があると感じていた。また、疼痛とせん妄を除く症状スクリーニングは十分に実施されておらず、緩和として緩和ケアチームなどの専門的緩和ケアの活用経験率も低かった。さらに、家族カンファレンスへの関与も十分になされていない実態が明らかとなった。
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