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2020 年度 実施状況報告書

二分脊椎症者の排泄セルフケアとHRQOLの包括的評価及び移行期支援の重要性の提言

研究課題

研究課題/領域番号 20K23194
研究機関大阪大学

研究代表者

川原 妙  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00877805)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワード二分脊椎症 / 健康関連Quality of Life / 排泄障害 / セルフケア / 移行期 / 青年期
研究実績の概要

本研究の目的は、成人期にある二分脊椎症者の排泄セルフケアと健康関連QOL(HRQOL)を包括的に評価することである。そのために、2020年度は次の2点を中心に研究活動を行った。
(1)二分脊椎症者のHRQOL及び関連要因に関する文献検討:MEDLINE,CHINAHL, PsycINFOを用いて二分脊椎症者のHRQOLとその関連要因を系統的に文献検討を行った。その結果、二分脊椎症者は排泄コントロールが社会生活に直接的な影響を及ぼすことに心理的負担感を抱いており、二分脊椎症に基因する要因(排泄障害の程度、失禁の頻度・程度、疼痛等)及び青年期の発達課題がHRQOLに影響を及ぼす可能性が考えられた。これをもとに二分脊椎症者の排泄セルフケアとHRQOLの関連性に関する操作的定義を検討している。
(2)調査協力施設におけるリクルート協議:協力施設である二分脊椎症関連クリニック、患者会代表に対し、参加者条件、送付内容、調査時期などを説明し、リクルート方法に関する協議を行った。新型コロナウイルス感染症禍でも多くの参加者を募るために、患者会におけるリクルートは郵送法、二分脊椎症関連クリニックは直接配布のほかにZoomを用いたビデオ通話の併用を検討している。また患者会に所属しない対象者のデータも検討するため、予定サンプルサイズの20%を二分脊椎症関連クリニックで収集する予定とした。
2021年度は操作的定義をもとに調査用紙を完成し、当事者への予備調査(20名)を経て本調査(200名)、日本語版QUALAS-A再調査(50名)を実施する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究は文献検討において、二分脊椎症者の健康関連QOLには疾患に基因する要因に加えて、親密性や生殖といった青年期の発達課題にも影響を受ける可能性が示唆されたが、当該分野の複合的な検討に時間を要した。
また新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、当初研究協力の内諾を得ていた臨床施設が感染症対策のために外部者の出入に制限が生じ、リクルート方法等の再検討を要したことで軽微な遅れが生じたと考える。

今後の研究の推進方策

予備調査では、感染対策の一環として対面だけでなくオンライン参加も可とする事で、参加者の心理的負担感を軽減できるよう努める。
日本語版QUALAS-Aの開発では、疾患的側面である多科のコンセンサスだけでなく、青年期特有の発達課題を適切に表現できているか確認するため、20-50代の二分脊椎症者をバランスよくリクルートし表面・内容妥当性を検討する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症により打合せ回数が減少したことと、学会等がWeb開催となったこと、支出を計画したPC等のハード・ソフト購入が次年度に繰り越しになったことが原因と考える。調査の一部をオンライン化することで生じる人件費・旅費等の差額については、オンライン環境の整備等に充填する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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