2021年度は,2020年度に引き続き,要支援・要介護高齢者および一般高齢者に対するフレイル調査を実施した. 要支援・要介護高齢者おいては,2020年度に引き続き,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が及ぼすフレイルへの影響について継続調査を実施した.順次解析を行い,論文投稿中である.一般高齢者においては,フレイル調査および身体機能を中心とした測定を実施した. 一般高齢者に対するフレイル調査では,2020年度と2021年度の1年間のフレイル変化とそれに関する要因を明らかにした.コロナ禍において新規フレイル発生には「社会参加がない」こと,ロバストへの回復には「趣味活動を行っていること」がそれぞれ関連要因となっていることを明らかにした.また,身体機能の測定では2019年(COVID-19パンデミック前)のデータと比較を行い,COVID-19パンデミック前との身体機能の変化について検証中である. 本研究の課題である,<Step1:①身体的,②心理的・認知,③社会的フレイル変化>,<Step2:身体機能の前後比較>,<Step3:心身機能の多角的変化,心身機能へ影響を及ぼす測定項目の解明とか解決策の検討>について,Step1とStep3について明らかにし,Step2において解析中である. しかしながら,未だ感染収束の目途がたたない現状において,高齢者の心身機能にさらなる影響を及ぼすことが予測される. そこで,研究活動スタート支援(20K23204)からの更なる長期的な追跡を基盤研究(C)(22K11096)にて行い,COVID-19による長期的な社会活動制限が地域在住高齢者のフレイルに与える影響を包括的に明らかにしていくと同時にその解決法を縦断的に探索していく.
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