研究課題/領域番号 |
20K23205
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
岡田 明子 北里大学, 看護学部, 助教 (60874485)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | 心不全 / 症状 / セルフケア |
研究実績の概要 |
本研究の1年目は、看護支援プログラムの効果検証における主要アウトカムである、心不全患者のセルフケアを評価する尺度、「Self-Care of Heart Failure Index ver7.2」の日本語版開発を実施した。日本語版開発は以下の手順で実施した。最初に、尺度開発者であるRiegel Bに日本語版開発の許諾を得た。次に、原版(英語)について、英語と日本語のバイリンガルによる日本語への翻訳および英語への逆翻訳を、心不全看護の専門家4名でディスカッションをしながら複数回繰り返すことで、英語版と日本語版の意味内容の一致に努めた。次に、逆翻訳版について、尺度の開発者に内容の適切性について確認し、意見に沿って内容を修正をした。続いて、作成した日本語版尺度について、心不全看護の専門家6名および心不全患者10名が、内容の適切性、網羅性、理解のしやすさなど内容的妥当性を検証した。最後に、内容的妥当性の検証結果を踏まえて内容を修正し、尺度開発者の合意を得た上で最終版とした。現在、作成した日本語版尺度について信頼性・妥当性を検証するために、外来通院中の心不全患者を対象に調査を実施している状況である。 また、看護支援プログラムの開発にあたり、心不全患者における急性増悪時の症状の知覚の実態を明らかにするために、21名の入院中の心不全患者を対象とした、急性増悪時に知覚した症状に関する患者インタービューの結果を分析した。現在、結果について論文化を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は新型コロナウイルスの感染拡大により、研究対象施設や研究対象者の確保が難しく、計画していた看護支援プログラムの開発までには至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2年目では、1)開発した日本語版尺度の信頼性・妥当性の検証と論文化、2)症状の知覚に関するインタビュー結果の論文化、3)心不全看護の専門家を対象とした急性増悪時の症状の知覚を促進するための支援方法に関するフォーカスインタビューの実施、4)2)と3)および先行研究を踏まえ、急性増悪時の症状の知覚を改善するための看護支援プログラムの開発を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大により、予定していた調査が実施できなかったため、次年度使用額が生じた。次年度は、症状の知覚に関する質的研究の学会発表および論文投稿、心不全看護の専門家に対するフォーカスインタビューの実施、看護支援プログラム開発時のパンフレットの作成等に助成金を使用する予定である。
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