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2021 年度 実施状況報告書

致死性乱用薬物の代謝経路解析:使用証明法の確立による薬物事件の原因究明に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 20K23217
研究機関地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所

研究代表者

東 雄貴  地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 研究員 (60880466)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2023-03-31
キーワード乱用薬物 / 危険ドラッグ / 合成カンナビノイド / 代謝物分析 / 構造解析 / 代謝物合成 / 有機合成
研究実績の概要

前年度までに、合成カンナビノイド1物質についていくつかの代謝物について構造を推定した。今年度は、1.代謝経路の作成、2.代謝物の時間変遷の解析、3.摂取証明に用い得る指標代謝物の合成を行った。1.初年度に同定に至っていなかった残りの代謝物について、各代謝物の測定条件を最適化することによりMS/MS分析を行った。MS/MS分析により得られた部分構造の精密質量から代謝物を推定した。同定できた代謝物の情報を統合することで代謝経路を作成することができた。2.経時的に代謝反応液をサンプリングすることで、各代謝物の生成量について時間変化を追った。代謝物の時間変化について、時間が経つと著しく減少するパターン、ゆるやかに減少するパターン、定常状態に達するパターンを特徴付けできた。3.代謝経路、代謝物の時間変遷、合成難易度を考慮し、当該乱用薬物の使用の指標として適当な代謝物を1つ選定した。しかし、その代謝物は位置異性体が複数個存在したため、部分構造が明確ではなかった。そこで、すべて位置異性体を化学合成し標準品を用意することで分子構造を決定することにした。現在複数個ある位置異性体のうち2種類について、化学合成法を開発し化学合成品を作製できた。今後残りの位置異性体を化学合成し代謝反応液中の当該代謝物と比較分析することで、指標代謝物の分子構造を決定する。一般的に薬物代謝に関する研究が代謝物の推定に留まるため、分子構造の決定及び標準品合成の達成は事件・事故の因果関係証明へ大いに役立つだろう。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和3年度において、新型コロナウイルス感染症の拡大により実験停止となる期間があった。また研究物品の納入が数ヶ月遅れたことも進捗状況の遅れに繋がったと考えている。

今後の研究の推進方策

今後残りの位置異性体を化学合成する。すでに確立した他の位置異性体の化学合成法を転用できると期待されるため、すべての位置異性体を標準品として用意することは可能であると考えている。その標準品すべてと代謝反応液中の当該代謝物を比較分析することで、指標代謝物の分子構造を決定する。

次年度使用額が生じた理由

代謝物合成にかかる消耗品及び代謝物同定にかかる消耗品に費用が必要である。また研究成果の公表として積極的に学会発表や論文投稿を行うための費用が発生する。

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公開日: 2022-12-28  

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