全国の遺伝子診療部門と当事者(遺伝性脊髄小脳変性症、筋強直性ジストロフィー1型)を対象にアンケート調査を実施した。遺伝子診療部門では、治療法・予防法のない遺伝性疾患の発症前診断を実施している施設の割合は約55%(37施設)であり、さらに手順書を設けている施設は約27%(18施設)であった。当事者では、発症前診断の受検経験がある者が約16%(10名)いたが、残りの約84%(53名)は経験がなかった。結果から、本邦における治療法のない遺伝性神経筋疾患の発症前診断のガイドラインの必要性、当事者が発症前診断の利用可能性を知ることの重要性、「遺伝性」を血縁者に知らせるためのサポートの重要性が示唆された。
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