研究課題/領域番号 |
20K23232
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
栗田 真由美 静岡県立大学, 看護学部, 助教 (50885225)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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キーワード | 高齢者虐待防止支援 / 養護者支援 / 熟練保健師 / 在宅生活継続と分離判断 |
研究実績の概要 |
研究課題遂行にあたり「我が国の高齢者虐待の現状と課題」「我が国の高齢者虐待防止政 策・制度の動向」「地域包括ケアシステムの発展と保健師に求められる役割」の文献検討を行った。 次に「在宅の高齢者虐待防止支援に関するスコーピングレビュー」を実施し、在宅における高齢者虐待防止支援に関する国内外の研究を概観し、高齢者と養護者の虐待防止支援研究からみえる課題を明らかにした。結果は抽出された198編から重複論文39編を除外した。また、タイトル及び抄録を精査し、選択基準に該当しない論文と除外基準に該当する論文98編を除外した。さらに全文を精査し、選択基準に該当しない論文36編を除外した。その結果、日本語論文12編、英語論文13編の合計25編の論文が選定された。我が国は高齢者虐待の実態や発生要因に対し、どう対応することがよいか具体的対処方法について、養護者を対象とした介入研究が少ないという課題が明らかとなった。この結果について今年度、学会発表を行う予定であり発表原稿を投稿中である。 さらに「高齢者と養護者の在宅生活継続と分離判断」プロセスの可視化を目指し、熟練保健師が分離と在宅生活継続の判断支援をどのように行っているのか、質的調査を7名の保健師に実施した。その内容について内容分析の手法であるDirected Content Analysis(Hsieh2005)で分析を行っている最中である。その後、臨床判断モデルを用い保健師の判断プロセスを可視化する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍の影響によりインタビュー対象とした保健師活動が多忙であり、インタビュー調整がスムーズに進まなかった。そのため、研究に必要な高齢者虐待に関する文献検討、スコーピングレビューを行った。そのなかで、研究手法や分析手法の適切性を再度、見直し取り組んでいる。 2年間の研究期間であったが1年延長させて頂きインタビュー結果を分析し判断プロセスを可視化できるよう継続して取り組んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
・「在宅の高齢者虐待防止支援に関するスコーピングレビュー」を学会発表し論文投稿を予定している。 ・「高齢者と養護者の在宅生活継続と分離判断」プロセスの可視化を目指し、熟練保健師に行った質的調査を内容分析の手法であるDirected Content Analysis(Hsieh2005)で分析を行う。その後、臨床判断モデルを用い保健師の判断プロセスを可視化する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により研究が予定通り進行できず、研究期間延長を希望したため。
学会参加費・旅費・宿泊費:40000×3人×3、インタビュー謝金:5000×5人、ネイティブチェック:100000、論文投稿費:30000、学会発表書類作成経費:50000、書籍代:100000、事務用品:150000、分析研究会参加費・旅費:40000×2回
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