本研究は、がん細胞に高発現するタンパク質GGCTの発現抑制が、『がん抑制遺伝子RB』を再活性化する機構を解明するのが目的である。 成長因子受容体ファミリーに属するc-Metの発現が、GGCT発現抑制によって顕著に低下することを発見した。また、GGCT発現抑制によるRB再活性化は、AMPKの活性化を介したc-Met発現低下に依存していることを示した。さらに、AMPKの下流でc-Metの発現を調節している転写因子STAT3が不活性化されていることを見出した。 以上の結果より、GGCT発現抑制はAMPKを介してSTAT3-c-Met経路を不活性化することにより、RBを再活性化することが示唆された。
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