研究課題/領域番号 |
20K23235
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
石井 貴弥 国際医療福祉大学, 医学部, 助手 (30882716)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | 視覚回路 / in situ ハイブリダイゼーション / mRNA定量 / Retinotopy / 中枢神経機能再生 |
研究実績の概要 |
本研究は、①視神経切断後の網膜、中脳上丘におけるRetinotopyの変性・消失についての分子的背景を、形態学的な情報とともに明らかにすること。②末梢神経移植による視神経再建によって、Retinotopyを決める分子群EphA5とephrinA2が、どのように発現変化し、中枢神経細胞同士の1対1のシナプス再結合が、促進、または阻害される仕組みを明らかにすること。以上の2つを研究目的としている。 in situ ハイブリダイゼーションによってmRNAを検出するための、cRNAプローブの作成はすでに完了している。現在、成獣ウィスターラットの網膜(耳鼻軸)と中脳上丘(矢状断)の凍結切片を作成し、反応条件を調整しつつ、作成したcRNAプローブが標的である細胞に反応を示しているかを判断している。今のところ、概ね良好な反応が得られている印象である。この反応条件の検討に多くの時間を要した。 2021年度は、網膜と中脳上丘での発現量の定量的計測を行い計測手法を確立していく予定であり、網膜では耳側と鼻側での発現量を、中脳上丘では前側と後側での発現量を計測・比較する予定である。その後、片側の視神経を切断し視神経退行性変性モデルの作成に取り掛かる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
入職前から着手していた人体肉眼解剖に関わる論文作成と投稿に、予想していたよりも時間を要してしまった。また、大学での物品購入の管理体制が変わったため、申請から機器・資材搬入まで時間を要した。さらに、新型コロナウイルス感染対策のための業務が追加されたことも理由のひとつと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
現在、成獣ウィスターラットの網膜(耳鼻軸)と中脳上丘(矢状断)の凍結切片の作成とin situ ハイブリダイゼーションによるmRNAの検出を繰り返し行っており、より良好な反応条件を見出しつつある。細胞内での発現量を定量的に計測し、データを収集していく予定である。その後、片側の視神経を切断し視神経退行性変性モデルの作成に取り掛かる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
入職から作成中であった人体肉眼解剖に関わる論文の投稿に多くの時間を要した。さらに、入職して以後、大学の物品・資材購入の管理体制が変わったため、申請から物品搬入までの時間が予想していたよりもかかってしまったことが、次年度使用額が生じた理由と考えられる。また、新型コロナウイルスの影響で、ほとんどの学会の開催がweb開催へ変更となった。このことから、旅費・参加費として計上していた予算は、ほとんど使用しなかった。 次年度は、投稿中の論文が受理されたことや通常業務にも慣れてきたことから、研究のための時間を確保しやすくなると予想できる。必要物品は早めに申請を行い、研究遂行に支障を来さないよう、前もって行動することに留意する。
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