高齢化社会の到来により、複数の慢性疾患をもつマルチモビディティ患者が増加している。一方、近年注目されている「健康の社会的決定要因」がマルチモビディティに影響を与えると考えられている。さらにマルチモビディティ患者の増加は、健康アウトカム、治療負担、医療資源利用へ影響を及ぼすことが指摘されている。マルチモビディティ患者の健康アウトカム等を改善していくためには介入対象者や介入方法についてのエビデンスを蓄積することが必須である。本研究ではその最初のステップとして、日本におけるマルチモビディティの有病率や疾患の組み合わせのパターン及び健康の社会的決定要因の関連を明らかにすることを目的とする。 2020年度には、マルチモビディティの有病率や疾患の組み合わせのパターンなどに関する文献検討、社会的決定要因の関連などに関する文献検討を行った。当該内容に関して幅広く深く文献検討を行うことで、適切な研究実施を計画することが可能となる。 2021年度には、5月に研究実施計画書を東京慈恵会医科大学倫理委員会へ提出し、7月に同倫理委員会から承認が得られた。その後、2020年度に行ったマルチモビディティの有病率や疾患の組み合わせのパターンなどに関する文献検討、社会的決定要因の関連などに関する文献検討を踏まえ、研究を実施し(データ解析とその結果の解釈を行い)、論文作成に必要な文献をさらに検索したうえで、論文作成を行った。
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