研究課題/領域番号 |
20K23240
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研究機関 | 岐阜保健大学 |
研究代表者 |
小野 悟 岐阜保健大学, 看護学部, 講師 (80884171)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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キーワード | 精神疾患 / 衝動性 / 行動化 / トラウマインフォームドケア / 長期入院 |
研究実績の概要 |
令和3年10~11月に研究方法3ー1として、研究方法2で導き出した現状と課題をふまえ、すでに取り組まれている、もしくは取り組まれつつある実践内容と、困難と感じていること、必要とされる知識や技術を見い出し、それらを整理した。(令和3年1月~9月まで新型コロナウイルス感染症のため病棟に入ることができなかったため) 精神症状が不安定で行動化の見られる患者の看護で、看護師ができていると認識していた内容は「患者の調子を見極め、調子がいいと判断した時には患者のペースに合わせた対応をしている」など5つのカテゴリに分類された。看護師が課題もしくは改善する必要があると認識していた内容は「精神症状が不安定で、調子の判断が難しい」など9つのカテゴリに分類された。病棟における課題について、すでに対策として取り組まれいていることもしくは取り組まれつつある実践内容と困難と感じていることと必要とされる知識や技術について整理した。 研究方法3ー2として令和4年3~4月にかけてコアメンバーで「互いの安全を確保したうえで患者の調子がいいと判断できる時に世間話などの何気ないコミュニケーションを行ないながらその人らしさを理解していくこと」という原案を提案し、カンファレンスを行った。その検討結果を病棟カンファレンスにおいてさらに意見を求め、話し合いの内容を質的帰納的に分析し、「精神症状チェック表について、患者の調子の判断につながる内容についてスタッフ間で見直しながら使用をする」などの6つの実践方法を考案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年1月~9月まで新型コロナウイルス感染症感染拡大のために、対象病棟に研究者が入ることができなかった期間があったため。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年5~8月にかけて、研究方法4「考案した看護実践方法の実践と評価」として対象病棟に入院中で精神症状が不安定で行動化の見られる患者に対して考案した実践方法を行う。対象患者の変化を看護記録等からデータ収集を行う。同時に学習会やケースカンファレンスを実施する。当初の目標が達成されたと判断された際には、受けた看護について感じたことについて筆者が対象患者に聞き取りを行い、聞き取った内容について看護師にフィードバックするカンファレンスを開催し、取り組みの成果と課題について評価し、看護実践方法を修正する。 令和4年9~10月にかけて研究方法5「精神症状が不安定で行動化の見られる患者の思いや体験に基づいた看護実践の成果の把握」として、対象患者への認識の変化、効果的であった介入、残された課題について話し合い、その内容を質的帰納的に分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和4年1~9月まで新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため、研究対象病棟に研究者が入ることができなかったため。今年度は今のところ研究実施ができているため、本来2年目に使用予定であったデータ収集、学会発表等物品費、交通費、人件費について使用する予定である。
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