研究課題
Phase Angle(以下、PhA)は生体電気インピーダンス法によって得られる生体の電気抵抗値から算出される値であり、骨格筋の筋量・筋力および骨格筋の質を反映している(Silva et al., 2022)。高齢者においてもレジスタンス運動によりPhAが改善することが報告されているが(Martins et al., 2022)、過去の運動習慣が高齢期のPhAと関連するかは未だ不明である。そこで、2022年度は青年期および高齢期の運動習慣の組み合わせと高齢期のPhAとの関連について検討を実施した。本研究は65~84歳の高齢者を対象とした観察型コホート研究“Bunkyo Health Study”のベースライン測定に参加した男性676名、女性926名のデータを用いて実施した。男女別にPhA値の下位5分の1をPhA低下と定義した。思い出し法による運動習慣のアンケート調査結果を基に、対象者を中学校または高等学校と現在の運動習慣の有無との組み合わせにより若年なし-現在なし(NN群)、若年なし-現在あり(NA 群)、若年あり-現在なし(AN群)、若年あり-現在あり(AA群)の4群に分けた。NN群を参照群とした際の各群のPhA低下の多変量調整オッズ比(95%信頼区間)をロジスティック回帰分析により算出した。PhA低下のカットオフ値は、男性で4.6、女性で4.1であった。男性では、PhA低下のオッズ比(95%信頼区間)はグループ間で有意差はなかった。女性ではAA群のオッズ比はNN群より低かったが{0.51(0.29-0.88),P=0.015},NA群とAN群はNN群と有意差がなかった。よって、青年期と高齢期の両方で運動習慣がある高齢女性ではPhA低下のリスクが低い可能性が示唆された。
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Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle
巻: - ページ: -
10.1002/jcsm.13218
Nutrients
巻: 14 ページ: 4830~4830
10.3390/nu14224830
巻: 13 ページ: 2835~2842
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https://www.juntendo.ac.jp/news/13517.html