研究課題
食の嗜好性と脳機能の関係について研究するため、健常被験者を募り、嗅覚試験および食嗜好のアンケート調査、および喫食時の脳機能測定をfNIRSを用いて行う計画であった。しかしながら、本年度は新型コロナウィルス感染拡大防止対策のため、対面での実験が十分に行えなかった。このため本年度は、次年度以降に感染対策を講じた形での実験実施を行うための準備、および被験者の募集を行った。現在までに3名の被験者が確保できており、次年度から随時、被験者の募集及び対面での実験再開を予定している。また、既存データの解析から、嗅覚嗜好性(嗅覚テスト;好きな匂いと、その匂いを嗅ぎ分ける)と食嗜好性・食知識の相関の有無を検証したところ、男性においては嗅覚テストの成績が良いほど、食知識が豊富であることがわかった。一方女性では、嗅覚テストと食嗜好性・食知識の相関は認められなかった。なお、年齢との相関は、女性のみ認められた。また、一部の被験者を抽出して嗅覚刺激時の脳機能をfMRIを用いて検証した(Connectivityなどをを評価)。その結果、嗅覚テストの成績と相関のある脳領域(Broca野-前頭極)、食嗜好性・知識の成績と相関のある脳領域(海馬傍回ー上前側頭回、傍錘状回ー上前側頭回)とを見出すことができた。一方、fALFFを比較したが、有意な結果が得られなかった。後者の結果は被験者数が若干少ないことによると考えられたため、次年度に被験者を増やして更なる解析を進める予定である。
4: 遅れている
新型コロナウィルス感染拡大防止対策のため、非常事態宣言等の影響もあり、被験者への対面実験が行えなかった。
感染拡大防止対策を講じた実験実施体制を構築した。これにより、4月以降で随時被験者に対する対面実験を実施していく予定である。
被験者募集の遅れ及び、同程度の価格で高性能な新型機の発売が予定されたため。
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