研究課題/領域番号 |
20K23268
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研究機関 | 湘南医療大学 |
研究代表者 |
土田 将之 湘南医療大学, 保健医療学部リハビリテーション学科理学療法学専攻, 助教 (30881221)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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キーワード | 歩行安定性 / トレッドミル / 歩行速度調整 / 高齢者 |
研究実績の概要 |
我々が開発した変速トレッドミル装置を用いて,歩行中の速度を任意に変化させる歩行速度調整課題を対象者に課し,その際の体幹加速度を計測する.そしてその計測データから1)高齢者の歩行速度調整課題時の歩行安定性との関係性を明らかにすること,2)明らかになった知見を統合し,高齢者の歩行安定性を向上させる効率的な歩行速度調整プログラムの開発をすること,以上の2点を主要な目的として研究を継続している. 2021年度は,新型コロナウィルスの影響が以前強く,被験者を予定していた地域在住高齢者の研究施設(大学)への入構が困難であり,計測スケジュール大幅な見直しに迫られた.そのため実験スケジュールに遅れが生じた.そのため対象者を高齢者から若年健常者に切り替え,歩行速度調整課題が歩行安定性に与える影響についての基礎的研究を実施した.引き続き感染防止対策が必要であるため,高齢者を対象とした実験を行うことは困難と予想している.特に変速歩行を行う際に,一定のリズム音に合わせて歩行をしたときの歩幅,歩行速度の詳細な変化については今まで明らかにされていないことが多いため,健常成人を対象とした新たな課題として取り組む.これにより歩行速度調整課題について更に深い考察を加えていく予定である.変速歩行トレッドミル装置の調整を担う研究協力者は,研究施設外で勤務しており,感染状況の収束が見込めない中では,本研究への直接的な協力は十分に行えないと予想している.そのため実験の一部は変速歩行トレッドミル装置を使用せず,屋内平地歩行におけるデータ計測を進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度も新型コロナウィルスの影響が依然強く,スケジュールは高齢者ではなく健常成人を対象とした基礎的実験に費やした.しかしながら,変速歩行練習が歩行安定性にもたらす即時的効果について,有効なデータが確認できた.現在,その成果については論文の執筆が完了し,専門誌による査読を受けている.
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今後の研究の推進方策 |
変速歩行練習が歩行安定性に与える即時的効果については良好なデータを得られた.今後は具体的な歩幅や歩行速度などの要因の変化について,詳細な検証を行うことで,変速歩行課題が歩行安定性に与える影響について,更に考察を深めていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画の若干の遅れにより,本年度内での英語論文の校正,論文投稿が間に合わず,執行が次年度へ繰り越しになってしまった.また,国際学会の中止等があいつぎ,年度内での学会発表が困難であった.
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