速く歩くことの重要性は以前から知られており,高齢者を対象とした歩行練習においてもその重要性は例外ではない.しかしながら,下肢の関節不安定性の増大や呼吸循環器系の機能低下など,高齢者が速く歩くことを阻害する因子は数多くあり,定速で速く歩き続けることは高齢者にとって難易度の高い歩行課題である.今回の研究成果により,速く歩いたり遅く歩いたりを連続的かつ周期的に繰り返す歩行練習課題が,歩行安定性を向上させることが示唆された.これにより高齢者の転倒予防プログラムへの応用など,健康長寿社会の実現に向けた取り組みに寄与できると考える.
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