研究課題/領域番号 |
20K23270
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研究機関 | 健康科学大学 |
研究代表者 |
池上 諒 健康科学大学, 健康科学部, 助教 (70881770)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | 温熱療法 / 筋肥大 / 温度感受性チャネル |
研究実績の概要 |
本研究の最終的な目標は,温熱刺激による筋肥大メカニズムを解明し,運動トレーニングに変わる新たな筋肥大方法として臨床応用への発展を目指すことである.近年,温熱刺激はタンパク合成経路を活性化させることが示されている.しかしながら,そのメカニズムは未解明であり,臨床現場において筋肥大目的に温熱療法を適応し成功した例は無い.本研究は温熱刺激による筋肥大における温度感受性チャネル(TRPV1)の機能的意義を解明し、温熱療法の臨床応用に向け新たな知見を提供すること目的としている. 本年度は,温熱刺激負荷方法の考案及び慢性温熱刺激が骨格筋形態に与える影響を検討した.同一個体内での検討を行うために,麻酔下で対象動物の片脚にのみ温熱刺激を負荷する方法を考案した.考案した温熱刺激負荷方法を用い,Wistar系雄性ラットの片脚に1回20分または60分,2日に1回の頻度で計14回の温熱刺激を負荷した.最終負荷から24時間後に筋を摘出し,生化学・組織学的解析を行った.その結果,20分負荷群ではヒラメ筋の筋重量が増加した一方,60分負荷群においてヒラメ筋の筋重量は変化しなかった.さらに,組織学的解析の結果,20分負荷群において筋横断面積が増加したのに対し,60分負荷群においては白血球の浸潤や細胞浮腫など損傷象が観察された.本実験により,温熱刺激のプロトコルの違いにより異なる筋の適応が誘発されることが明らかとなった.今後は今回得られた知見に温度感受性チャネルであるTRPV1がどのように関与しているのかを検討していく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
安定して温度制御が可能であり,片脚にのみ温熱刺激を負荷できる実験系を確立できた.さらに,このモデルを使用することにより,温熱刺激のプロトコル次第で骨格筋の適応が異なることが明らかとなった.しかしながら, 温熱刺激負荷方法の確立と動物モデルの作製に時間を要し, 当初予定していた計画に対して進捗がやや遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
本年度は温熱刺激負荷方法の考案及び慢性的な温熱刺激が骨格筋形態に与える影響の解明に取り組んだ.次年度は慢性温熱負荷実験に関する成果をまとめていくと同時に,温熱刺激による筋肥大に温度感受性チャネルがどのように関与しているのかを中心に検討する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
参加予定であった学会が中止またはWeb開催となったため,余剰金が生じた.次年度の学会参加経費として再度計上する.
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