本研究の目的は、小学生児童における身体活動量が実行機能・学業成績、メンタルヘルスに及ぼす影響について、媒介要因を含めて包括的に検討した上で明らかにすることである。補助事業期間延長を申請し、本年度はデータの再現性検討および解析を実施した。昨年度同様、媒介分析を用いることで小学生の身体活動・座位行動、20mシャトルラン、実行機能、健康関連QOLの関係性について検討を行なった。その結果、男児の中高強度身体活動は20mシャトルランを媒介して身体的well-being並びに精神的well-beingに関連する間接効果がみられ、完全媒介していることが明らかとなった。同様な関係は座位行動時間においても認められた。一方、女児については本関連性が認められず、20mシャトルランと身体的well-beingの単相関のみ認められた。さらに、男児においては中高強度身体活動時間と実行機能の関連に20mシャトルランが媒介する直接効果および間接効果が認められた。したがって、昨年度の結論同様に各指標間の関係について性差が存在すること、並びに男児の身体活動量は実行機能とメンタルヘルスに対して20mシャトルランを媒介して関連していることが明らかとなった。
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