研究課題/領域番号 |
20K23278
|
研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
岸本 智也 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (10882706)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
キーワード | テレリハビリテーション / 整形外科疾患 / 課題指向型アプローチ / ゴール達成スクリーニング |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、病院から自宅退院した後の整形外科疾患患者を対象に、タブレットを用いたシームレスな運動療法(以下テレリハビリテーション)が、退院後ICFの参加に対するアウトカムに及ぼす効果を検討することである。運動療法や評価に課題指向型アプローチや目標達成スクリーニングを用いることで、整形外科領域のリハビリテーションにおいて課題とされているICF参加レベルのアウトカムの効果的な改善が可能と考える。アウトカムは身体機能、バランス機能、痛み、各関節機能評価、破局的思考、転倒に対する自己効力感、生活空間とする。またタブレットを用いた運動療法介入は、週5回30分を退院後約1か月間、外来リハビリ終了時まで実施する。運動療法は、患者にとって意義のある活動や参加を目標にして、運動を組み立てる課題指向型アプローチを用いる。在宅で実施可能な運動に関しては、タブレットに収録されている運動の動画を見ながら自主トレーニングを行う。加えて、週に数回目標に設定した患者にとって意義のある活動や参加を実際に実施する。また週1回運動療法の実施状況の聴取や目標達成度に対するメタ認知を実施する。その際に運動療法のコンプライアンスが不良な患者に対しては、動機づけを実施する。このテレリハビリテーションが効果を示せば、医療過疎地域などに在住で病院や施設への定期的な通院が困難な方に対するリハビリテーションやコロナウイルスが蔓延している現在の状況下における新たなリハビリテーション構築の一助になる可能性がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年11月ごろから2021年3月まで研究協力施設に本研究の概要の説明と評価・介入方法の説明を実施した。2021年4月から現在まで研究協力施設でプレデータ測定を1名に実施している状況である。
|
今後の研究の推進方策 |
当初は本研究における介入の対象を脊椎圧迫骨折患者に限定していたが、十分なサンプルサイズの確保が困難であるため、対象を整形外科疾患後の患者(人工関節置換術、大腿骨近位部骨折、脊椎圧迫骨折)に変更する。それに伴い研究成果も整形外科疾患後の患者に対する運動療法介入に変更するため問題はないと考える。今後は2021年5月末までにプレデータ測定を2名に実施し、プロトコルの最終調整を行う。その後、同年6月から11月までに合計20名に対して本データ測定を実施する予定である。以降、同年12月から2022年3月の間に研究成果をまとめ学会発表および論文執筆を行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初は当該年度に一括してタブレットを15台購入する予定であった。しかしながら、対象となる患者のサンプリング状況に鑑み、適宜台数を調整することになったため、次年度使用額が生じた。次年度は、今年度の残額(777,785円)+次年度の交付額で当初のタブレット購入予定台数までの10台とその通信料及び対象者の身体活動量を調査するための活動量計を購入予定である。
|