本研究では、日常的な身体運動が脳血管拡張機能に与える影響について検討するために、高血圧が完成する前の脳卒中易発性高血圧自然発症ラットSHRSP (4週齢)に6週間の自発運動を実施させた。その結果、運動を実施したSHRSPは、運動未実施群のSHRSPと比較して、脳卒中が多発しやすい中大脳動脈において、常二酸化炭素時および高二酸化炭素血症時の血管径が有意に高い値を示した。また、経頭蓋超音波エコー法によって評価した血管抵抗の指標も運動群では有意に低値を示した。しかし、体血圧に有意差は認められなかった。本研究は、高血圧非依存的に、身体運動が脳卒中発症を予防する機序の一部を明らかにできたと考える。
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