研究課題/領域番号 |
20K23283
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
藤田 諒 筑波大学, 医学医療系, 助教 (60770435)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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キーワード | 骨格筋幹細胞 / 骨格筋 / 幹細胞移植 / 筋ジストロフィー / 微小環境 / サルコペニア |
研究実績の概要 |
骨格筋の可塑性を制御する骨格筋幹細胞は生体内で唯一骨格筋線維を再生できる幹細胞であることからサルコペニアや筋ジストロフィーなどの筋疾患への細胞治療が高く期待されている。しかし移植効率の低さから治療効果は現在までのところ得られていない。これまでの多くの研究が骨格筋幹細胞自体の性質に着眼したものが多い中、本研究は幹細胞移植をされるレシピエント側の移植環境に着目し、どのような移植環境が幹細胞の生着に重要かを解き明かすことを目的とする。これまでに骨格筋幹細胞の休止期で強く発現する因子の探索を進め、その中で骨格筋幹細胞とニッシェをつなぐ分子となり得る候補分子を同定した。現在は、その分子を骨格筋幹細胞特異的に欠損するマウスの作成を行ない、その分子の機能解析を進めている。また、同時に In vitro でのアッセイ系の確立を進め、より詳細なシグナル解析を行う準備ができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
採択年度は新型コロナウイルスの蔓延により大幅な遅れが生じた。具体的にはマウスの輸入等が制限されたことにより、In vivoの動物の解析が行えなかったためである。初年度の遅れのため、2年目も当初の計画よりも遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
新たに同定した骨格筋幹細胞とニッシェをつなぐ分子となり得る候補分子の欠損マウスの解析を進める。その分子の欠損により、骨格筋幹細胞とニッシェの相互作用がなくなることで、骨格筋幹細胞にどのような変化が引き起こされるのか、加齢や筋ジストロフィーモデルマウスと組み合わせて解析する予定である。また、候補分子の下流シグナルを解析する In vitro アッセイ系の確立しているため、その方法を用いてどのようなシグナルを細胞内に伝えているのかを明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究進捗状況の遅れにより、予定していたマウスの作成 (飼育費等)や細胞培養実験が一部遂行できなかったため次年度使用額が生じた。
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