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2020 年度 実施状況報告書

非アルコール性脂肪性肝炎の進展における血小板型12-リポキシゲナーゼ発現調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 20K23293
研究機関岡山県立大学

研究代表者

戸田 圭祐  岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (80881630)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワード12-リポキシゲナーゼ / 肝星細胞 / 発現調節
研究実績の概要

非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、生活習慣の欧米化に伴い我が国の肝疾患の中でも最も高頻度となった非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の80~90%を占める、慢性炎症性肝疾患である。NASHは著しいアルコールの摂取がないにも関わらずアルコール性肝炎類似の肝組織所見を呈し、進行すると肝臓における炎症から肝細胞が傷害され、肝臓の線維化を引き起こし、高率に肝硬変や肝臓癌に至る可能性のある疾患であるが、その発症進展のメカニズムについては未だに明らかになっていない。先行研究において、メチオニン・コリン欠乏食投与により作製したNASHモデルマウスで血小板型12-リポキシゲナーゼが上昇すること、この酵素が中心的な役割を果たす肝星細胞に局在し、NASH進展における肝星細胞の活性化と筋線維芽細胞への分化に伴って、その発現レベルが上昇することが明らかとなった。そこで本研究は肝星細胞においてNASH進展に寄与する血小板型12-リポキシゲナーゼの発現調節機構を解明することを目的とする。ヒト肝星細胞株において、血小板型12-リポキシゲナーゼの発現が認められなかったため、マウスから肝星細胞の初代培養細胞を調製し、そこへ肝線維化の機構に関わる各種サイトカインを添加し、血小板型12-リポキシゲナーゼのmRNAをqPCRで定量することにより、本酵素の発現を調節するサイトカインを検討した。その結果、いくつかの候補となるサイトカインを見出し、そのサイトカインのシグナル伝達機構について検討を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

血小板型12-リポキシゲナーゼの発現を調節するサイトカインの候補を見出し、おおむね申請書に記載したように研究が遂行できているため。

今後の研究の推進方策

これまでと同様にサイトカインのシグナル伝達機構を一つずつ調べていくことで、本酵素の標的となる経路を同定する。また、同定された経路で血小板型12-リポキシゲナーゼ遺伝子の転写活性が変化するかを確認し、発現調節に寄与する転写因子を同定する予定である。

次年度使用額が生じた理由

前年度までに購入した物品や試薬のストックが残っていたため。また、新型コロナウイルス感染症の蔓延のため、研究成果発表のための旅費の支出がなかった。次年度では、物品の購入費、論文の校正費などに使用する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] ザクロ葉由来エラジタンニン類によるミクロソーム型プロスタグランジンE合成酵素-1の発現抑制と肺癌細胞のアポトーシス誘導.2020

    • 著者名/発表者名
      上山真依, 戸田圭祐, 田中将夢, 津嘉山泉, 目賀拓斗, 鴻池優佳, 爲延麻子, Februadi Bastian, 赤井衣里阿, 伊東秀之, 川上祐生, 高橋吉孝, 山本登志子.
    • 学会等名
      第93回日本生化学会大会
  • [学会発表] ザクロ葉由来エラジタンニン類のミクロソーム型プロスタグランジンE合成酵素-1発現抑制効果と大腸炎改善効果.2020

    • 著者名/発表者名
      上山真依, 戸田圭祐, 田中将夢, 津嘉山泉, 目賀拓斗, 鴻池優佳, 爲延麻子, Februadi Bastian, 赤井衣里阿, 伊東秀之, 川上祐生, 高橋吉孝, 山本登志子.
    • 学会等名
      第57回おかやまバイオアクティブ研究会シンポジウム
  • [学会発表] ザクロ葉由来エラジタンニン類のミクロソーム型プロスタグランジンE合成酵素-1発現抑制と大腸炎改善効果.2020

    • 著者名/発表者名
      上山真依, 田中将夢, 津嘉山泉, 戸田圭祐, 目賀拓斗, 鴻池優佳, 爲延麻子, Februadi Bastian, 赤井衣里阿, 伊東秀之, 川上祐生, 高橋吉孝, 山本登志子.
    • 学会等名
      第53回日本栄養・食糧学会 中国・四国支部大会
  • [学会発表] Platelet-type 12S-lipoxygenase in hepatic stellate cells of non-alcoholic steatohepatitis model mice.2020

    • 著者名/発表者名
      Keisuke Toda, Yoshiko Mori, Yuki Kawakami, Keita Kanzaki, Rena Tamai, Ryoma Tanaka, Izumi Tsukayama, Toshiko Suzuki-Yamamoto, Takayo Kawakami, Yoshitaka Takahashi.
    • 学会等名
      4th International Symposium on Phytochemicals in Medicine and Food
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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