研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、深筋膜の特性と身体運動能力との関係性を調査した。成人男女各10名を対象に、超音波装置を用いて、下肢深筋膜および直下の筋の厚さを測定した。また、対応する筋力や跳躍高などの運動パフォーマンスを測定した。下肢深筋膜の厚さは、特に大腿部において直下の筋の大きさや対応する筋力と正の相関関係にあることが示された。これは、深筋膜の特性が直下の筋の特徴や運動習慣によって変化することを示唆している。
スポーツ科学
本研究では、深筋膜は単に骨格筋を包むだけでなく、部位によって異なる特徴によって、骨格筋の力発揮を補助する可能性が示された。これは、身体運動パフォーマンスの発現メカニズムの理解において重要なステップであり、今後、深筋膜の可塑性に着目したコンディショニング方法の確立や、部位特異性を応用した装具の開発が見込まれる。これにより、単なる骨格筋のトレーニングでは成し得なかった、高齢者の自脚での歩行の維持や、傷病者の早期社会復帰、アスリートの試合でのあと一歩の後押しが期待される。