研究課題/領域番号 |
20K23303
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研究機関 | 大阪樟蔭女子大学 |
研究代表者 |
青 未空 大阪樟蔭女子大学, 健康栄養学部, 講師 (10880130)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | ビタミンB12 / 萎縮性胃炎 / 食事摂取基準 / 高齢者 / 水溶性ビタミン |
研究実績の概要 |
本研究は医療機関との共同研究を予定しており、新型コロナウイルスの影響により、当初予定していたスケジュールで研究を開始することができなかった。 国内の感染状況を考慮しながら、共同研究先の開拓を始めた段階である。オンラインでの打ち合わせを重ねているが、感染状況が落ち着き次第、病院に赴いて具体的な計画の打ち合わせを実施する予定である。具体的には、人間ドックを受ける中高齢者を対象として本研究を実施することを予定している。 2020年度中の医療機関での共同研究が進められない期間では、平成29年国民健康・栄養調査結果の二次解析を行い、本研究のテーマであるビタミンB12を含む水溶性ビタミン摂取量の現状について解析を行った。平成29年国民健康・栄養調査の対象者のうち、妊婦・授乳婦を除く18歳以上の成人からエネルギー摂取量の外れ値を除外した5537名を解析の対象者とした。全ての水溶性ビタミンについて日本人の食事摂取基準(2020年版)の推定平均必要量(EAR)を下回る者の割合は全体の5.8%であり、年代が低くなるにつれてその割合が有意に高くなった。骨格筋量指数(SMI)を従属変数とした重回帰分析では、性別、年齢、BMI、運動継続年数、エネルギー摂取量の補正後、ビタミンB6、B12、葉酸が全てEARを下回ることは有意な負の寄与因子であった。これらの結果より、水溶性ビタミン摂取量に年代による差がみられたことから、食生活の変化を考慮して年代ごとでの調査が必要であると考えられ、またビタミンB6、B12、葉酸の摂取量がEARを下回らないようにすることはSMIの維持に関連することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は医療機関との共同研究を予定していたため、新型コロナウイルスの影響により研究を開始することができなかった。オンラインでの打ち合わせを行いながら、感染状況を考慮し、研究を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
人間ドック受診者を対象として、本研究を実施する予定で打ち合わせを行っている段階である。胃がんを発症する前の段階の萎縮性胃炎とビタミンB12栄養状態との関連を検討するにあたっては、人間ドックを受診する健常者は適していると考えられる。血液中のビタミンB12濃度および関連するビタミンおよび代謝物(ビタミンB6、葉酸、ホモシステインなど)濃度、食事摂取量、胃カメラによる萎縮性胃炎の程度を調べ、その関連を解析する。 感染状況を考慮しながら打ち合わせを進め、2021年中に調査を開始する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により、当初予定していた医療機関との共同研究に遅れが生じたため。 1年間の延長を視野に入れ、当初のスケジュールを2021年度から開始する予定である。
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