研究課題/領域番号 |
20K23311
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研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
河野 由 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ研究部, 契約研究員 (20878227)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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キーワード | 運動の個人差 / 演技者自身の「表現」 / 3次元動作解析 / 運動学的変量 / 時系列変化 / 印象評定 |
研究実績の概要 |
当該年度は2021年10月より育児休業を取得したため、プロレベルの舞踊家11名(以下、動作実施者)の動画から感受される印象の調査のみを行った。具体的には、50名のバレエ経験者(以下、印象評定者)を対象に、初年度に撮影・編集したプロレベルの舞踊家11名の動画から感受される印象を、運動の出来栄えに関する印象(例えば、「美しい-醜い」、「良い-悪い」)と運動の特色に関する印象(例えば、「滑らかな-平坦な」、「重い-軽い」)からなる23対の形容詞対を用いて調査した。手順としては、動画の観察に先立ち、予め印象評定者に対して、23 対語の評定尺度を確認するように指示した。印象評定者の準備が整ったのを確認し、提示順による評定のバイアスを取り除くために、まずすべての動作実施者の 1試行目の動画を1種類ずつ(計11種類)呈示した。次に、作成した動作実施者の2・3試行目の動画22種類のうち、1種類ずつ3回連続で呈示した後、1分間で23対語それぞれに評定を求めた。この手順は、11種類の動画の評定を終えるごとに 2 分間の休憩を設けながら、すべての動画の評定を終えるまで繰り返した。なお、22種類の動画の呈示順は無作為とした。また、本研究で使用した評定用語の信頼性の確認のため、本研究の印象評定に協力が得られた50名のうち、8名を対象に再テスト法にて動画から感受される印象を調査した。 なお、これまでの進捗状況は以下の通り。 初年度は、バレエの下肢挙上動作を対象に、3次元動作分析装置による運動分析を実施し、運動の個人差の大きい局面を特定するとともに、その個人差を反映する運動学的変量を同定した。これによって、バレエの下肢挙上動作における演技者自身の「表現」とも捉えられる運動の個人差の実態が把握できたと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
育児休業により研究を一時中断したため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、当該年度に調査した鑑賞者が感受する各印象と、初年度に同定した運動学的変量の特性の相関分析によって、運動の個人差の評価の解明の課題に取り組む。また、分析した内容をまとめて学術集会にて発表するとともに、論文化し投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は育児休業による研究の中断により次年度使用額が発生した。 次年度の使用計画としては当該年度に予定していた学術集会での発表や学術雑誌への論文の投稿に使用する予定である。
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