研究課題
研究活動スタート支援
スピーカの周波数特性が放射方向毎で非対称に異なるという知見を発掘し,このことを用いて単一のスピーカでモノラルマイクロフォンを測位する技術を提案した.具体的には,周波数特性から方位角・仰角を推定し,受信振幅の減衰率から距離を推定することで,モノラルマイクロフォンの3次元位置を推定する.実環境における複数地点での測位実験により,計測の90%が誤差0.48m以下となる測位が可能であることを確認した.
測位
本研究により,放送用のボックススピーカが放射方向毎で非対称かつ特有な周波数特性を持つことが明らかとなった.これは,従来困難と考えられていた単一のスピーカによるモノラルマイクロフォンの測位を可能とする重要な発見であるといえる.またこれにより,音声放送を目的として屋内環境へ設置されているスピーカでモノラルマイクロフォンの測位が可能となることから,音響信号を用いた屋内測位技術の普及につながるものと考えている.