研究課題/領域番号 |
20K23322
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1001:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 (2021) 北陸先端科学技術大学院大学 (2020) |
研究代表者 |
王 贇トウ 大阪大学, 工学研究科, 講師 (00880791)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | 格子暗号 / 解読アルゴリズム / 公開鍵暗号 / 安全性解析 |
研究成果の概要 |
本研究課題では,耐量子計算機暗号(PQC)の実用化に向けた安全性評価に関する研究を行った.特に,PQCの最有力候補である格子暗号の安全性根拠となる最短ベクトル問題(SVP)の近似版に対して解読アルゴリズムを開発・改良した.そこで,ドイツダルムシュタット工科大学が主催するSVP解読チャレンジにて158次元までの世界記録を達成した.また,格子探索アルゴリズムのENUMと篩法のTuple Sieveを改良し,それぞれの計算量とメモリコストを削減できた.更に,格子暗号のCRYSTALS-KYBERとSABERに対する乱数再利用攻撃の安全性を評価し,クエリ数が6以下で100%の攻撃成功率を得た.
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自由記述の分野 |
耐量子計算機暗号
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題では,次世代暗号の有力候補である格子暗号の解読アルゴリズムを改良し,スーパコンピュータで大規模解読実験を行い,世界記録を達成した.更に,格子暗号に対する攻撃法を考察することにより,実応用ではよく用いられる「乱数再利用」の安全性評価ができた.本研究課題により,耐量子計算機暗号への解読効率を向上させ,それに応じて頑丈な暗号パラメータの選出に参考できることと,乱数再利用の危機性を示したため学術的かつ実用的な貢献は大きいと考える.
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