研究課題/領域番号 |
20K23323
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩政 勇仁 京都大学, 情報学研究科, 助教 (70854602)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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キーワード | Edmonds問題 / 重み付きEdmonds問題 / 非可換Edmonds問題 / 重み付き非可換Edmonds問題 / 最大最小定理 |
研究実績の概要 |
・2×2型分割行列のランクを求める組合せ的多項式時間アルゴリズムを設計した研究(平井広志准教授との共同研究)が論文誌Mathematical Programmingに採択された. ・2×2型分割多項式行列の小行列式最大次数列を求める組合せ的強多項式時間アルゴリズムを設計した.さらにサイズkの小行列式最大次数とベクトル空間上に定義されるポテンシャル関数の間の最大最小定理の存在を示した.これは最大重み2部マッチング問題に対する古典的な多項式時間アルゴリズム(ハンガリアン法)や最大最小定理(Egervaryの定理)の代数的拡張であり,昨年度の成果「2×2型分割多項式行列の行列式次数を求める組合せ的強多項式時間アルゴリズムの構築」をさらに進展させたものである.この結果をまとめた論文"A combinatorial algorithm for computing the entire sequence of the maximum degree of minors of a generic partitioned polynomial matrix with $2 \times 2$ submatrices"を査読付き論文誌に投稿中である. ・系統樹復元問題にマトロイド交叉の理論を応用した論文(平井広志准教授との共同研究)"Reconstructing phylogenetic trees from multipartite quartet systems"が論文誌Algorithmicaに採択された. ・招待講演を一件,国内学会での講演を一件行い,多数の有用なフィードバックを得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の成果を拡張し,2×2型分割多項式行列の小行列式最大次数列を求める組合せ的強多項式時間アルゴリズムの構築に成功したことや,これまでの研究成果が順調に採択されていることから,順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き(非可換)Edmonds問題に取り組む.特に2×2型に限らない一般の分割行列に対するアルゴリズムの構築を目指す.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は国際学会に出張することが困難であったため,次年度使用額が生じた.これは,次年度国内外の研究者との打ち合わせ,国際学会参加などに必要な旅費や計算機購入費に充てる.
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